※ブラヴァツキー夫人に関する大田俊寛氏の論考に疑問を抱き、ココログブログ「マダムNの覚書」にノートしているところである。
いずれノートをまとめたエッセーにして、はてなブログ「マダムNの神秘主義的エッセー」に収録する予定。
関連記事は前掲はてなブログのエッセー26「ブラヴァツキー夫人の神智学を誹謗中傷する人々 ①ブラヴァツキー夫人とオウムをくっつける人」である。
作業をやりやすくするため、「マダムNの覚書」のノートを当ブログにピックアップしておく。
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2020年9月 5日 (土)
ブラヴァツキー夫人の伝記にある引用に関する昨日の続き。
https://elder.tea-nifty.com/blog/2020/09/post-fb5a34.html
ハワード・マーフェット(田中恵美子訳)『近代オカルティズムの母 H・P・ブラヴァツキー夫人』(神智学協会 ニッポンロッジ、1981)の第29章に出てくる引用が原書のどこからなのか、リンクを張っておきたい。
インドのチェンナイ市アディヤール(Adyar)に本部を置く神智学協会から独立したウィリアム・クァン・ジャッジ(神智学協会の3人の創立者の1人で最年少)がカリフォルニア州パサデナ(Pasadena)に設立した神智学協会のホームページのオンライン文献(ONLINE LITERATURE)に『シークレット・ドクトリン』があるので、そこ(HTML version)へのリンクである。
H. P. Blavatsky. “The Secret Doctrine: A Synthesis of Science, Religion, and Philosophy.”,Vol.1,pp.519-520. The Theosophical Society International Headquarters – Pasadena, California. https://www.theosociety.org/pasadena/sd/sd1-3-06.htm, (accessed 2020-09-05).
伝記では、「Vol. 1, Page 519」から「Vol. 1, Page 520」にかけて、引用が行われている。伝記で行われている引用やそれに関連する『シークレット・ドクトリン」の文章については、続きの記事で。
『シークレット・ドクトリン』は宇宙発生論(Cosmogenesis)、人類発生論(Anthropogenesis)、インデックスで構成されており、優れた邦訳が宇宙発生論、人類発生論の各前半部分は上梓されている。しかし、この引用はまだ邦訳が出ていない宇宙発生論の後半部分にある。
引用元のページだけ読んでもわかりづらいだろうし、また、英語ができるからといって予備知識もなしに読める文章ではないと思いうが、ざっと読んでいただくだけでも、大田俊寛『現代オカルトの根源――霊性進化論』(筑摩書房、2013)で書かれているような「数々のミスティーフィケーション(神秘化やごまかし)の手法によって、自説の深遠さを過分に装っていた」(045頁)類いの文章ではないことがわかっていただけるのではないかと期待する。
ブラヴァツキー夫人に対する誹謗中傷にわたしが拘るのは、ブラヴァツキー夫人の諸著には、今後科学が進歩していくにつれて花開くであろう多くの貴重な種子が存在しているのではないかと思うからなのだ。その種子は科学が進歩するためのヒントとなるはずである。現に、アインシュタインは『シークレット・ドクトリン』を愛読していたといわれる。
わたしは若輩者ではあるが、文学書からの引用はほとんど全て、哲学書からの引用は一部、霊的な事柄についてはごくごく一部にすぎませんが、適切な引用とそれを上回る説明がなされていることが確認できる。
しかしながら、科学的な部分に関しては音痴で、さっぱりわからないのである。
ブラヴァツキー夫人の著作を科学の各分野の専門家がお読みになったらどう思われるだろう? 古代キリスト教・グノーシス主義の研究家がお読みになったらどうなのか?
誹謗中傷の煙幕を張られていたのでは、そうした方々の目に触れる機会がなくなってしまうとの焦りを覚えるのである。そうこうしている間にも、単純な唯物論に依拠した共産主義が思わぬ拡大のしかたをしている。煙幕が濃くなるばかり。
息子は化学を博士課程まで学んだが、博士課程からは社会人であったために卒論を納得がいくだけのものに仕上げる時間がとれず、残念ながら退学した。
わたしは身近な理系人間である息子に読んでほしい気がして、それとなく働きかけたことがあったが、わたしとは逆に息子は――歴史的教養を除けば――文系的教養に欠けているので、わたしと同じように、理解するには足りない苦労をするだろうし、まあ興味が持てなければそれまでだ。いつか興味を持ってくれないかなと思ってしまうのであるが……
尤も、『シークレット・ドクトリン』を完璧に読みこなせる人は一握りだろう。竜王会、神智学協会ニッポン・ロッジには相当読みこなせるかたが複数名いらっしゃると思うが、故田中先生は抜群にいい線いかれていた。すばらしいかただった。オーラも本当に美しかった。お亡くなりになった今もわたしの尊敬の対象であり、憧れの対象だ。
ただ、この田中先生にしても、そのお父様であった三浦関造先生にしても崇拝しているわけではない。大田氏が勘違いしがちな点だ。この微妙な違いがわからないだろうか? 大きな違いなのだが。オウム真理教信者の麻原崇拝とは別物であるということである。
2021年3月4日木曜日
ブラヴァツキー夫人とオウムをくっつけるT・O氏 ⑧ブラヴァツキー夫人の伝記にある引用に関する昨日の続き
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